第141回 林からの脱出
2009.7.13
予選の時などは、とにかく次につなげていけるように、あまり無理をしないということがセオリーですが、選手によっては予選だからこそと運試しでもするかのようにちょっとの無理ならチャレンジしてみる選手というのもいて、それは選手の性格によって違ってきます。私がキャディをさせていただいている選手には、そういった俗に言うところの「攻めたがるタイプ」がとても多いです。そういったタイプは時に暴走しがちなので、キャディは選手と反対に堅い攻め方を基本に道を探すように心掛けることで道の選択肢を増やすことができます。
しかし、優勝争いなどでどうしても攻めなければならないような状況もあります。
そうした場合はそれがいかに脱出が成功する確率の低い狭い道であっても、攻めていかなければなりません。優勝が見えていれば見えているほど、選手は「いちかばちか」の賭けをするものです。そんな賭けに勝ち、ピンチから脱出するだけでなく、逆にチャンスにしてしまうことができた選手が、勝利の女神に栄光を勝ち取る資格をあたえられた選手なのだと思います。